1. はじめに

「豊四季Tiny BASIC for Arduino STM32 V0.86」を利用するための、
プロジェクトのダウンロード、ファイルの配置の手順です.
Windows 10環境での利用を前提としています.

方針

  • プロジェクトのダウンロードおよび配置は、gitコマンドにて行います.

  • 他のArduino開発環境とのライブラリの競合を避けるため、
    スケッチ、ライブラリ、Arduino STM32パッケージは
    独立した別の「スケッチブックの保管場所」にて管理します.

2. 事前準備

プロジェクト及び不随パッケージのインストールのツールとしてgitを利用します.
gitのインストールは 「git for Windowsのインストール手順」を参考にして導入して下さい.

以降の説明では、gitコマンドを使用した手順となります.

3. 「豊四季Tiny BASIC for Arduino STM32」プロジェクトのインストール

3.1. プロジェクトを配置するフォルダの作成

「豊四季Tiny BASIC for Arduino STM32」 プロジェクトを配置するためのフォルダを作成します.
ここでは、D:\project とします.

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図 1. プロジェクト用フォルダ

3.2. コマンドプロンプトを起動

作業を行うために、コマンドプロンプトを起動します.
ディレクトリ D:\project に移動します.

一番簡単な手順は、
フォルダの ファイル  Windows PowerShellを開く にてPowerShellを起動し、
cmd Enter でコマンドプロンプトを実行します.

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図 2. フォルダのメニューからPowerShellを起動
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図 3. PowerShell上でcmdを実行
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図 4. コマンドプロンプト起動画面

3.3. 「豊四季Tiny BASIC for Arduino STM32」プロジェクトのダウンロード

次のコマンドを実行し、プロジェクト一式をダウンロードします.

git clone https://github.com/Tamakichi/ttbasic_arduino_stm32.git
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図 5. 「豊四季Tiny BASIC for Arduino STM32」 プロジェクトのダウンロード

D:\project の下に フォルダ ttbasic_arduino_stm32 が作成されます.
D:\project\ttbasic_arduino_stm32\ttbasic がスケッチの本体となります.

3.4. Arduino STM32パッケージ(修正版)のインストール

次のコマンドを実行して、プロジェクト下に
Arduino STM32パッケージをインストールします.

cd ttbasic_arduino_stm32\hardware
stm32Clone.bat
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図 6. Arduino STM32パッケージ(修正版)のダウンロード

これにより、
D:\project\ttbasic_arduino_stm32\hardware の下に
Arduino STM32パッケージがインストールます.

3.4.1. ドライバのインストール

Arduino STM32用のドライバをインストールします.
フォルダ D:\project\ttbasic_arduino_stm32\hardware\Arduino_STM32\drivers\win を開きます.

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図 7. ドライバのインストール

フォルダ内の install_drivers.bat を実行してドライバをインストールします.

4. Java(jre:実行環境)のインストール

Arduino STM32のスケッチの書き込みにおいて、javaの実行環境が必要となります.
インストールしていない場合は、ダウンロードしてインストールして下さい.

無料Javaのダウンロード https://java.com/ja/download/

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無料のJavaのダウンロード をクリックしてダウンロードし、インストールして下さい.

5. Arduino IDEのインストール

Arduinoをインストールしていない場合はインストールして下さい.
Download the Arduino IDE https://www.arduino.cc/en/Main/Software

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図 8. Arduino IDEダウンロードサイト

Windows 10用には3つの形式でインストールすることが出来ます.

  • Windows Installer

  • Windows ZIP file

  • Windows app

各自の好み、目的に合わせてインストールして下さい.
ここでは、Windows app版の利用を前提に解説します.

6. Arduino IDEの環境設定

「豊四季Tiny BASIC for Arduino STM32」のスケッチをコンパイルするための設定方法について説明します.

6.1. スケッチ保存場所の設定

Arduino IDEを起動します.
ファイル  環境設定 をクリックし、環境設定画面を開きます.

環境設定画面の「スケッチの保存場所」に
D:\project\ttbasic_arduino_stm32 を 指定し、OK ボタンを押して登録します.

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図 9. 環境設定画面

設定を反映させるために、一旦 Arduino IDEを終了し(ファイル  終了 )、再度起動します.

6.2. Arduino SAMD Boardsパッケージのインストール

ARM Cortex-M用のコンパイラの利用のためにインストールします.

ツール  ボード  ボードマネージャ から ボードマネージャを開きます.

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図 10. ボードマネージャの起動

ボードマネージャのフィルタ指定に SAMD と入力して絞り込み、
「Arduino SAMD Boards (32-bits ARM Coetex-M0+) by Arduino」の最新版をインストールします.

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図 11. ボードマネージャ画面

6.3. 「豊四季Tiny BASIC for Arduino STM32」スケッチの読み込み

メニュー ファイル  開く から
D:\project\ttbasic_arduino_stm32\ttbasic\ttbasic.ino
を指定してスケッチを開きます.

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図 12. Arduinoのスケッチを開く
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図 13. スケッチを読み込んだ画面

6.4. ボードの設定

Arduinoのメニューでボードの設定を行います.

  • ツール  ボード  Generic STM32F103C series

  • ツール  Variant  Generic STM32F103C8(20k RAM 128k Flash)

  • ツール  Upload method  STM32duino bootloader

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図 14. ボートの設定

6.5. スケッチのコンパイル確認

Arduino IDEのメニュー スケッチ  検証・コンパイル にて
コンパイル出来ることを確認します.

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図 15. コンパイルの検証

コンパイルが正常終了することを確認します.

7. BluePillボードへのブートローダの書き込み

新しく購入したBluePillボードには、Arduino STM32用のブートローダが書き込まれていません。
Arduino IDEからスケッチを書き込むには、ブートローダの書き込みが必要となります。

ここでは、ST-Link を使った書き込み方法について説明します.

ST社が公開している ST-LINK utility をダウンロードしてインストールします.
ダウンロードにはアカウントの登録が必要となります.

下記のリンク先のページ下部の ソフトウェア入手 をクリックし、
STM32 ST-LINK utility をダウンロードします.
STM32 ST-LINK utility: https://www.st.com/ja/development-tools/stsw-link004.html

ダウンロードしたインストーラを使って、インストールします.
この時、USBドライバもインストールされます.

7.2. ST-LINKのファームウェアアップデート

ST-LINKのファームウェアのバージョンを確認し、古い場合はアップデートします.

STM32 ST-LINK utility を起動します.
ST-LINK をパソコンに接続します.
STM32 ST-LINK utility のメニュー ST-LINK  Firmware update から
ST-Link Update画面を開きます.

Device Connect ボタンをクリックし、ファームウェアのバージョンを確認します.
もし、古い場合は Yes >>>> ボタンをクリックしてファームウェアをアップデートします.

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図 16. ST-Link Update画面

7.3. ブートローダのダウンロード

ここでは、gitを使ったダウンロードを行います.

下記の公開サイトから直接ダウンロードしてもよいです.
Bootloader for STM32F103 boards, for use with the Arduino_STM32 repo and the Arduino IDE
https://github.com/rogerclarkmelbourne/STM32duino-bootloader

フォルダ D:\project にダウンロードします.
コマンドプロンプト上で次のコマンドを実行します.

git clone https://github.com/rogerclarkmelbourne/STM32duino-bootloader.git
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図 17. ブートローダのダウンロード

7.4. ブートローダの書き込み

STM32 ST-LINK utility を起動します.
ST-LINK をパソコンに接続します.
ST-LINKBluePill ボードを接続します.

表 1. 結線

ST-Link

BluePill

3.3V

3.3V

SWCLK V

CLK

GND

GND

SWIO

DIO

BluePill ボードのBOOTビンのBOOT0を1に設定します.

boot sw
図 18. BOOTピン

BluePill のリセットボタンを押します.

STM32 ST-LINK utility の メニュー File  Open file から
書き込むブートローダのを読み込みます.
D:\project\STM32duino-bootloader\bootloader_only_binaries\ にある
generic_boot20_pc13.bin を指定します.

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図 19. ブートローダの読み込み

BluePillボードに接続します.
メニュー Target  Connect をクリックします.

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図 20. ブートローダを読み込だ状態

メニュー Target  Program&Verify をクリックしてDownload画面を開きます.

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図 21. Download画面

Startボタンを押して、書き込みを開始します.

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図 22. 書き込み完了画面

BluePill ボードのBOOTビンのBOOT0を0に戻します.

以上で環境構築作業は完了です.